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デジタルモンスター、特にデジモンフロンティアについて、一ファンの視点から様々な記事を展開しています。

DIGIFES 2022 感想 part4「朗読劇・総括」

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たいへん長らくお待たせしました。

デジフェス2022で披露された朗読劇の紹介、および感想です。

題して「謎のメール再び!犯人は誰だ?」

 

 

 

デジモンワールドの危機。ルーチェモンとの決戦から…2年がたった。

そして俺、神原拓也は中学生になった。

中学に入ってしばらくして…

差出人不明のメールが俺の携帯に送られてきた。

その文面は…

『17時45分発の渋谷行きの電車に乗る』

あのエレベーターの所へ行けと書かれていた…

(拓也のモノローグより)

 

『謎のメールふたたび!犯人は誰だ!?』

 

 

怪メールの文章に導かれ、まんまと渋谷にやってきた拓也。こういう迂…行動力抜群なところは小学生のころと何ら変わっていません。

ですが、なんと2年前には存在していたエレベーターが…ない!

戸惑っていると泉、友樹と合流。こいつらもか…

泉「何1人でジタバタしてんの?」

拓也「そんなにか?」

渋谷駅に集合したはいいものの、ターミナルに続くエレベーターは撤去され、蕎麦屋になっていました。

「エレベーターがなくなって驚く姿を見ようって魂胆だ」と疑う拓也。今回の拓也は最初から最後までこのテンションです。覚悟してください。

 

「あのデジバイスじゃないのはわかっているが、なんとなく変えづらくて携帯はそのままにしてる」拓也。自分のものみたく振る舞っていますが、元々母さんのPHSだった筈。そこら辺はどう説得したのでしょう。

遅れて輝二、純平も参入。

「やあ、みんな」

「みんな、変わりなさそうだな」

純平は当時小6なので、今は中2です。

輝二「で、拓也は無事に卒業できたのか?」

怒る拓也に「冗談だよ、そう怒るな😅」とフランクに返す輝二。

このクール担当、気やすさが爆発しています。

 

進級から発展し、泉はおもむろに卒業式の写真を見せ始めます。卒業式に一つ下の後輩に呼び出され、告白だと勘違いしたら…

「泉さん、おへそが出てて寒そうだから、これ使ってください」

と腹巻をプレゼントされた模様。どう反応すればいいんだ。

ボコモンかよと指摘する純平。

「解釈に困るのよねぇ、親切なのか、極度な寒がりなのか…」

遠回しな告白と受け取らないのがなんか風呂メンらしいズレっぷりです。

早々ボケっぷりを発揮する泉をよそに「友樹は?何か変わったことがあったのか?」と話題を変える輝二。

「ボクは…2歳大人になった!」

と満面の笑みで答えます。

子供らしい屈託のない発言に、輝二も「俺たちもだけどな…」と苦笑い。

また、友樹は拓也お兄ちゃんを拓也にいちゃんと呼ぶことでチョッピリ大人になろうとしているようです。5年後には「拓也さん」呼びになるんですが、その辺のドラマも知りたいですね。

 

近況報告もそこそこに、

誰が、なぜ匿名のメールを送ったのか?

と本題に切り込み始めます。

 

この場にいない輝一に焦点があたりますが、拓也は

「輝一は悪の組織の秘密ファイルを手に入れた結果組織に追われ、銃撃戦やカーチェイスしつつ痕跡を残さないように俺たちに接触しようとした。。その結果がこのメールなのでは!?」

とまたもや怪電波じみた持論を展開。朗読劇の拓也は、将来が心配になるほど妄想たくましくなっています。当然みんなから突っ込みを受けますが…

更に輝ニが爆弾を投下します。

そもそも輝一は今頃彼女とお茶でもしている頃だろう…

「「「「彼女!?!?」」」」

 

彼女の存在に浮き足立つボンクラ達。

追撃の手を緩めず「同じ中学に通っている」という燃料まで投下。

「誰かがオレに何か文句でもあるんだろうと思っていたが、現れたのは予想に反し…女子だった」

校舎裏に呼び出された輝二は、輝一と間違えて告白されます。そういやコイツら双子でしたね。

輝一と女子の間に波風立てないように気を使い、本人と立ち会う機会、つまりデートの約束をとりつけた。そこまではよかったのですが、問題は言い方でした。

 

 

「おい輝二!!!お前何言ったんだ!!!」

普段の穏やかな態度から一変、血相を変えた輝一が大原部長のごとく怒鳴り込んできます。

輝一が渋谷で女子の誤解を解くはずが、なぜか女子さんは両親まで連れてきて、式の日取りまで話が飛ぶ事態となっていました。輝一は土下座して事なきを得ましたが、話が拗れたのは弟のせいなので、とばっちりもいいところです。

女子が勘違いした輝二の言い分はというと…

「僕らの未来のために…今直ぐ答えを出すわけにはいかないよ…でも約束する!誠意を持って話し合えば…きっと素晴らしい結果になるはずだ…❤️(中略)また…会ってくれるかい…?君のこと…大切にしたいから…❤️」

「それがいけないんだとなぜ気づかない!!!」

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※画像はイメージ

 

乙女ゲーみたいな甘い囁きを披露する輝二。2年前のとんがったクールボーイはもういない、令和の輝二は神谷浩史の擬人化になっていました。

弟は善意で輝一のフリをしたつもりですが、ヒロCがオーバーソウルしたせいでややこしい事態になってしまいました。本人は潔白を主張していますが、周囲からは「悪意」を疑われる始末。

全く悪びれる様子がない弟に、「それを言うなら俺だって輝二ってことにして、一流企業に就職し高い給料をもらって、株やら競馬や何かでたらふく儲けたあげく、税金はお前に全てパスしてやったっていいんだぜ!」とかかり気味になる輝一も輝一です。

客観的に見るとかなりしょうもない兄弟喧嘩なのですが、本編の湿度が高かった分、こうして気軽に喧嘩できるほど仲良くなったと微笑ましくもあります。5年後(きぼでん)ではまた不器用な関係になってしまいますし。いや、5年間に何があったんだ?

脱線しますが、金策のプランに競馬を挙げる辺りがいかにも大和屋脚本っぽい。まあお馬さんのおかげでドバイ旅行できたからね…

 

 

混迷を極める中、純平が状況を整理。

「オファニモンのメールと拓也たちのメアドを知っているのは、俺たちしかいない。

つまり、この中の誰かが、嘘をついてるってことだ!* 」

と断定。純平が名探偵になりきり、拓也が冷やかしたせいでなぜかクソ推理合戦が始まってしまいます。この朗読劇はどうなってしまうんだ…

ボケボケなキャラ同士の掛け合いが面白いので全文引用したいのですが、流石に怒られそうなので箇条書きに留めます。

 

・拓也の推理「犯人は泉」

純平に続き、拓也も推理を披露するのですが、

「拓也にいちゃん!!!!推理なんて、出来るの!!??!!?」

と友樹に過剰反応されます。いや驚きすぎだろ…拓也兄ちゃんのことをなんだと思ってるんだ(苦笑)

拓也お兄ちゃん渾身の推理もまた壮絶なものでした。

「今回の謎のメール事件、犯人は泉!卒業式でもらった腹巻きが心地よく、手放せなくなってしまった泉は、全国民が腹巻きをすればいいと思い立ち、ブームメントの一端で俺達を呼んだのではないか!?匿名なのは俺たちに腹巻の編み方を伝授するためだ!」

対してメンバーの反応は

話にならないな

次だ次

腹巻き…はやるといいね…(苦笑)

とメタメタなものでした。当然すぎる。

 

・友樹の推理「犯人は純平」

純平:え゛

四反田さんの踏んづけられたカエルみたいな声がクセになる。

「事件は密室での犯行。にもかかわらず犯人は匿名でメールを送った、電気の力で充電して、電波の力を借りてメールを送ったから。それが出来たのはブリッツモンのスピリットを持っていた純平だけでは?」

徹夜明けででっち上げたような推理!

純平も「俺のスピリットは電気じゃなくて雷」と切り捨て。18話冒頭といいきぼでんといい、彼ってスピリットや自分の属性に萌えがありませんね?

「腹巻とかアラバイとか、もーぅアリバイとか…」

(脚本がくだらなすぎて)神谷さんまで噛む始末。

 

・泉の推理「犯人は友樹」

友樹「…ちがうってば(苦笑)」

「友樹がシャイだからよ❤️友樹はシャイなバンビーノ(笑)」

「泉さんは、僕に濡れ衣を着せようとしている(棒読み)」

ノーコメント。

 

・輝二の推理(という体をなしていませんが)「犯人は拓也」

醜いなすりつけに紛れて輝二までもが拓也を犯人と断定。

矢継ぎ早に迷言が飛び交う朗読劇で

「拓也…お前二重人格だろ😅」

という直球な悪口を披露。決めつけもいいところですが、今回の拓也は冒頭で悪の組織がドータラ言ってるような人間だし、間違いとも言えません。

BGMが「伝説の十闘士」なので、最低限の格好はついているのが悔しい。

ちなみに輝一のみ、ボケ推理合戦に参戦していませんでした。まともなのは彼だけですよもう。

 

 

推理合戦も空しく、犯人はわからずしまいに終わります。

折角蕎麦屋に来たんだから、蕎麦屋へ行こうぜ!という拓也の掛け声で、エレベーター跡地の蕎麦屋に向かう拓也達。

「へ゛いらっしゃい!!」

蕎麦屋の店長が四反田さんで笑う。

そこで一斉に携帯の着信音が鳴り響き、実はDWのハイブリッド体共がメールを送っていたことが判明するのです。なんかメッセージを確実に届ける為に渋谷に来てもらう必要があったらしいッスよ。

レーベモン「輝一…みんなが心にスピリットを宿す限り、俺達は必ず再会できる。だからそれまで…

元気でな!!!!!!

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※画像はイメージ

エンドレが流れていい雰囲気になったところで終了。

毎度思うけどこのED〆適性が高すぎない?

 

 

感想

デジモンフロンティアの続編はトンチキ路線しかないのか!!?

デジモンフロンティアBDBOX初回生産限定特典ドラマCDこと希望という名の電車に続き、選びし子供たちの天然ぶりが炸裂した朗読劇でした。

デジモンフロンティアの続編はなぜトンチキになってしまうのか?思いついた仮説をいくつかあげてみます。

  1. パートナーが横にいない
  2. DWに行って価値観が崩壊した
  3. やることがない

 

1について。他デジモンシリーズならいつも横にパートナーがいて、

「〇〇(人物名)~おなかすいた~」

「全く、△△モンは食いしん坊だな~!」

みたいな会話が挟めるじゃないですか。コンビ、またはトリオが確立している。片方は人の理から外れた人外なので、多少変な会話でも違和感はない。

フロンティア本編でギャグを担当したボコネーパタはもういないし、かといって四六時中パートナーがそばにいて、会話に交わることも極めて困難。だから拓也達がパートナーデジモンコメディリリーフやマスコットキャラの役割を兼ねる必要があるのではないでしょうか?

2について。多感な時期に進化を経験し、変なデジモンや変な光景、変な食べ物を摂取すれば、ジェネレーションギャップが生じるのも当然です。泉(と泉の中の人)がデジフェス2022で殊更異様な発言を連発したのは、イタリアとDWのダブル帰国子女だからです。やっぱり帰国子女は違うよね〜!

3について。これが一番有力だと思います。本編は綺麗に完結しているし、きぼでんで拓也達の進路やDWのその後まで描いてしまったので、新しい壁でも生やさない限り、展開の伸びしろも頭打ちになってしまうんでしょう。少なくとも自分には続編を作るのは無理です。

 

あとは脚本家の特色でしょうか。この人、チチをもげ!の作詞だったりクリスマスにシャケのダイレクトマーケティングをしたりするオヂサンなんですよね…37話や44話の印象で美化しがちですが、こういうふざけ…ナンセンスな作風も彼の得意分野でした。

もっと真面目でしんみりとしたものを期待していたので、正直最初は肩透かしもいいところでした。トンチキ推理パートは露骨な尺稼ぎでしたが、最後のパートナー要素はファンの求めるものを手堅く投げてきた印象です。収拾がつかなくなって無理矢理オチをつけたような気がしなくもありませんが、クリフハンガーよりは3倍マシでしょう。

デジモンフロンティアにかぎらず、円満に解決した作品の続編を製作することの難しさを感じました。何度も言いますが、デジタルワールドも平和になったし、拓也達の問題も解決したし、正直やることないんですよね。難しい。あと先日の大胆予想は総ハズレでした。信じた人は御免なさい。

きぼでんとおなじくらい、反応に困る朗読劇でした。軽妙なトークが主の作品って感想難しいです。ボーボボの荒唐無稽な展開を全て文字で表現しても(早バレ)意味不明になってしまう現象が近い。感想を見るより実際に聞いてもらった方が楽しめそうというか…

では、デジフェス2022はどうやって視聴すればいいのでしょうか?

 

結論から言うと、現時点ではありません。

 

 

総括

音源化されない、ただ一点を除いて本当に素晴らしいイベントでした。

ライブに参戦するのは初めてでしたが、作り手にも受け手にも「20周年を盛大にお祝いしよう」という熱気がありました。あの日あの瞬間に令和のデジモンフロンティアを堪能できたのは、ずっと追い続けてきたファンとして無上の喜びでした。

デジモンフロンティア、いやデジモンシリーズ全体が、オールドファンに支えられ生きながらえています。子供時代に見てそのままファンを続けている、または後追い再燃勢も多いでしょう。自分も半分そうですし。悪く言えば世代交代が一向に進まないのですが。

過去作を振り返る機会が多いIPで、一度きりしか見られないコンテンツが存在するのは、機会損失というか、あまり好ましくない状態だと思います。

ただ音源化は不可能であることは7月の事前特番でPが断言していたので、その時点から心のどこかで覚悟はしていました。それでも、もう二度と聞くことが出来ないのはあまりにも辛すぎる。そりゃ朗読劇はトンチキだったけど面白かったし、ライブパートは胸を打たれた。できるのなら何度だって再生したいし、「デジモンフロンティアにもいいことあったんだよ」って胸を張って後世に繋げていきたい。

だからこそ、このブログが存在するのですが。

まあ今年もデジフェスやるみたいなんで、過去イベントも何らかの形で回顧されれば良いですね。個人的には2021テイマの朗読劇が聴きたい。

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画像はアーカイブ視聴最終日に、退社後直行でカラ鉄に駆け込み、ぼっち応援上映した時のものです。リアル会場は声出し禁止だったので…。大好きな作品でこんな体験をするの、もう後にも先にもなさそう。ペンラ片手に年甲斐もなくはしゃぎ倒したのはいい思い出です。今まで2003年のライブに参戦できなかったのがずっと心残りでしたが、あの頃(2003年)ガキだった僕を現実が追い越した!と言う感じで、いくらか無念は果たせました。カラ鉄にはコラボ中3回行きましたが、特典のコースターは全部ヴォルフモンでした。好かれてるのでしょうか?

 

以上でデジフェス2022の感想を締めくくります。ロングスパンでの更新となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

 

重ね重ね言いますが、ただ一点を除いて本当に素晴らしいイベントでした。

あの一日は、私にとって一生の宝物です。

なので!!関係者各位!!

音源化(円盤でもアーカイブ配信でももうなんでもいいです!)を何卒よろしくお願いします!いつまでも待ち続けます!!!